『空色の渚』での「世界不毛の日」は、敵の攻撃で起きる長期の停電で
2023-03-05
1980~81年に放送されたテレビアニメ『宇宙戦士バルディオス』。
2022年10月から、その二次創作の小説『空色の渚』を書こうと思い立ち、このブログであれこれと模索しているところです。
東日本大震災での停電の経験
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、私の住む県では直接の被害はわずかでしたが、長時間続いた停電に悩まされました。
反射式の石油ストーブとプロパンガスは問題なく使えたものの、電気ファンヒーターも電気コタツも使えず寒い思いをし、石油ボイラーが止まってお風呂が使えず、電気炊飯器でご飯も炊けませんでした。
電話回線もひかり回線は使えず、携帯電話はまだガラケーだったのでバッテリは保ちましたが、メールはノートパソコンで送受信しており、ひかり電話が止まればそれまででした。
『宇宙戦士バルディオス』のあらすじを読みながら、アルデバロン軍の攻撃でも電気が止まったり通信設備や通信衛星が破壊されたりして、世界中で震災の時のような不便な生活になっただろうな、と考えました。
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『バルディオス』世界でも送電のインフラがダメになったはず
人工衛星がすべて撃墜されたら、衛星を介した通信はできないし、気象衛星による観測ができず天気予報も正確に出せない。
発電設備や送電線を攻撃されたら、電気を使うあらゆる設備は使えない。
さまざまな製品を作り出す工場も稼働しなくなり、世界中で物資不足に陥るだろう。
スマートフォンやテレビで情報を得ることはできなくなるし、電池式のラジオでも放送局が停電によって停波すればやはり情報を得られなくなる。
電車は止まって、電気自動車は充電もできず走れなくなる。
都市ガスや上下水道の設備が傷んでも、電気式の修理道具が使えない。
・・・そんな状況が長期間続いたら、アルデバロン軍の直接攻撃で死ぬ人よりも、インフラの崩壊の影響で死ぬ人のほうが多くなるのではないか。
二次創作『空色の渚』では、アルデバロン軍に相当するプロアデス軍の直接攻撃よりも、インフラ崩壊による影響で死ぬ人間がはるかに多い設定です。
人類は急速にその数を減らしていきます。
『バルディオス』第30話「地球不毛の日」では、アルデバロン軍が植物を枯らす粉を散布して深刻な飢餓を地球にもたらしますが、『空色の渚』では、プロアデス軍の攻撃によるインフラの破壊や輸送ルートの遮断によって食糧の生産加工や運搬(輸出入も)ができないことでの飢餓が地球を襲います。
人口増加を支えた電気が失われたら・・・
2100年の地球の人口はいかほどでしょうか。
『宇宙戦士バルディオス』の小説で確認してみました。
コバルト文庫版の上巻258ページには以下のような説明があります。
「長官は、三千万人の兵を死なせてしまった」
(引用略)
「S-1星人一億に対して地球人は六十億です。この一年でわが方が七千人、敵が四十億人になりましたが、依然として差はそのままです」
※「七千人」は「七千万人」の誤りのようです。
朝日ソノラマ文庫版1巻163ページにも同様の説明があります。
「我々一億に対し、地球人は六十億にものぼるのです」
「これまでの戦いで、我々は三千万人の兵を失いました。地球人はそれでもまだ四十億以上も生存しているのです」
国立社会保障・人口問題研究所ホームページにある人口統計資料集(2022年)の「表1-9 世界人口の推移と推計:紀元前~2100年」によると、『バルディオス』放送当時の1980年の世界推計人口は44億58百万人で、推計人口が60億人を超えて61億43百万人になったのは2000年でした。
2020年の推計人口は77億95百万人。2100年には108億75百万人になると見込まれています。
『空色の渚』では地球には約百億人、太陽系内の他惑星の基地などに数千万人と設定しました。
また、ほぼすべての人間が電気に基盤を置いた生活を送っていると考えています。
食糧は計画的に生産・加工されていますが(一部は屋内工場で生産)、電気が止まれば生産・収穫・加工・運搬に伴うあらゆる工程が止まってしまいます。
スマートフォンは使えず、他の通信設備やテレビ放送でも情報が得られない・・・。
そんな中、長期にわたって食糧が十分に手に入らず周囲でも餓死者が続々と出ている状況が続いたら、人間はどう行動するでしょうか?
ドラマでの大地震の描写で停電が起きなかった
ところで、NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」の昨日4日放送分(第1部)のシミュレーションドラマは、視聴者の気持ちも考えてか(あまりリアルすぎても良くない?)、停電の不便さがあまり描かれなかったのがちょっと不満でした。
パソコンやサーバーが止まったため役所や会社の業務が進まないこと、高層マンションでエレベーターが動かないことでの住民の不便さ、病院での医療機器や透析の設備、家庭での人工呼吸器や痰の吸引器、交差点の信号、電気自動車の充電、etc。
今日の第2部も視聴します。
昨夜放送のNHKスペシャルドラマ「南海トラフ巨大地震」https://t.co/5BGO3edz4d
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) March 4, 2023
👆見逃し配信
特設ページでは南海トラフ以外にも、東日本大震災の教訓、ほかの地震リスク、対策をまとめています👇https://t.co/f0FxcRxTMq
今夜9時からは備えや対策を伝えます#南海トラフ巨大地震 #NHK南海トラフ pic.twitter.com/PeoxfiSXuD
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